【6月28日 AFP】8月に五輪が開催されるブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)州で27日、五輪準備による州当局の財政逼迫(ひっぱく)のために生じている給与遅配などについて約300人の警官が抗議デモを行った。

 黒いTシャツ姿で揃えた警官らは、州議会議事堂入り口の階段に立ち「警察が優先するのは市民、政府が優先するのは五輪」と書かれた横断幕などを掲げた。警官らはストライキに突入する可能性もちらつかせている。

 ある警官は他のデモ参加者と同様、職場で不利な影響が出ることを懸念して匿名でAFPの取材に応じつつ、先月の給与は半分しか受け取っておらず、今月分は未配だと語った。さらに5か月にわたって残業代が支払われていないという。

 給与の問題に加え、重武装した麻薬密売人たちと対峙(たいじ)する危険地域に配置されることも多い職場環境がひどくなっているという。五輪での警備の中心となる精鋭部隊に所属する39歳の警官は「署にはトイレットペーパーもない。市民がペーパーを持ってきてくれるありさまだ。清掃員もおらず、水が止まっていてトイレが使えない署もある」と語った。ガソリン不足で警察車両の使用も制限されているという。

 リオデジャネイロ州の副知事は同日、日刊紙グロボ(O Globo)のインタビューで、予算不足が原因でリオ五輪が「大失敗」する恐れがあると語った。治安関連の予算は今週末までの分しかないという。同州は現在、連邦予算から29億レアル(約870億円)の緊急援助を待っている状態で、治安部門に優先的に配分されるという。(c)AFP