【6月27日 AFP】イタリアで最重要指名手配犯の1人だったマフィア組織の幹部、エルネスト・ファッツァラーリ(Ernesto Fazzalari)被告(46)が26日朝、地元の南部カラブリア(Calabria)州の自宅アパートで拘束された。検察当局は犯罪組織との闘いにおける歴史的快挙と称えている。

 カラブリアはイタリア最強の犯罪組織とされる「ヌドランゲタ(Ndrangheta)」の拠点。20年間、逃亡を続けていたファッツァラーリ被告は同組織の幹部で、南部シチリア(Sicily)の犯罪組織「コーザ・ノストラ(Cosa Nostra)」の「スーパーボス」、マッテオ・メッシーナ・デナーロ(Matteo Messina Denaro)容疑者に次ぐ最重要指名手配犯だった。

 1996年から逃亡していたファッツァラーリ被告は、99年の裁判で、マフィアとのつながり、誘拐、武器の不法所持、1989~91年に32人が死亡した抗争に関連した2件の殺人の罪で被告不在のまま有罪判決を受けていた。

 マフィア撲滅に取り組んできたカラブリア州検察局のマフィア担当主任検察官は、ファッツァラーリ被告の身柄を地元のタウリアノーバ(Taurianova)で拘束したことを快挙と称え、「タウリアノーバは土くれの一粒一粒までヌドランゲタが支配する地域だ。だからファッツァラーリは安心していた。われわれが踏み込んだ時、彼はボディガードもつけず、ガールフレンドと二人きりだった。自分の縄張りで、危険があれば誰かが知らせるはずだと信じていたに違いない」と語った。(c)AFP/Angus MACKINNON