【6月26日 AFP】スペイン・バスケットボール界のスター、パウ・ガソル(Pau Gasol)が25日、ジカウイルスの懸念で欠場を検討中だったリオデジャネイロ五輪に出場する意向を表明した。

 スペインのスポーツ紙マルカ(Marca)のコラムで、ガソルは「ジカ熱が重大な事態であることを周知すること、リオで代表チームとともに過ごすことが私の責務だ。リオに行きたい。チームとともにありたい。4度目となる五輪の舞台に立ちたい」とコメントしている。

 母親が医師で、自身もスペイン・バルセロナ大学(University of Barcelona)で医学を学んでいたものの、プロのバスケットボール選手になるために同大学を中退しているガソルは、以前から保健機関がジカウイルスに関する適切な情報を提供していないのではないかと疑問を投げかけていた。

 2008年の北京五輪と2012年のロンドン五輪でスペインの銀メダル獲得に貢献した35歳のガソルは、今でも100パーセントの確信がある訳ではないとしている。

「チームに対する思いが、これから起きるかもしれない恐怖を上回った。今も情報が少なく不安はある。五輪開幕まで約1か月だが、われわれが決断を改めるような深刻なニュースが舞い込んでこないことを祈っている」

 男子ゴルフでメジャー4勝を誇るロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)をはじめ、多くの選手がジカ熱を理由に五輪出場を辞退している。

 ジカ熱は新生児の小頭症を引き起こす恐れがあるほか、まひや死亡の原因となるギラン・バレー症候群(Guillain-Barre Syndrome)といった成人発症の神経疾患との関わりも指摘されており、ガソルをはじめ多くの選手は、現地に向かう前に精子を凍結する意向を示している。

 2015年に発生して以来、ブラジルでは約1500万人、全世界では約2000万人がジカ熱に感染しており、1600人以上の新生児が小頭症を患って生まれている。(c)AFP