【6月25日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は24日、英国で行われた欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票について、英政府の「考えが甘く、思慮が足りなかった」と批判する一方で、英国のEU離脱に向けてロシア政府が水面下で動いたとの見方を否定した。

 ロシアの国営放送で放送された発言の中でプーチン大統領は、今回の国民投票について「一国、そして欧州全体にとっての重大な決定に決着を付けるやり方としては、英国首脳部の考えが甘く、思慮が足りなかった」と述べた。

 EU加盟諸国の関係にくさびを打ち込もうとしていると非難されてきたプーチン大統領にとって、英国のEU離脱は「思うつぼ」だとする見方も多い。

 しかしプーチン大統領は同日、英国をEUから離脱させるためにロシア政府が英国の国民投票に働き掛けたとの見方を一蹴。「当然、情勢はしっかり見守っていたが、わが国がその過程に影響を及ぼしたことはなく、影響を及ぼそうと試みたことさえない」と述べた。

 プーチン大統領はさらに、ロシア政府としては英国のEU離脱のロシア経済への影響を最小限に抑える努力をすると明言した。ロシア経済は原油安と通貨ルーブルの下落によって既に打撃を受けている。

 一方、ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相は、英国のEU離脱が各国市場に及ぼす影響によって「世界経済、ひいてはロシア経済にもさらなるリスク」が生じていると警鐘を鳴らした。(c)AFP/Gabrielle Tétrault-Farber