【6月22日 AFP】中国は、複数の周辺国が領有権を主張する南シナ海(South China Sea)の南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)へクルーズ船の定期便の運航を2020年までに開始し、同諸島に観光客を呼び込む計画を立てている。中国国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)など複数のメディアが22日、報じた。

 中国は、戦略的に重要な南シナ海のほぼ全域に対する領有権を主張しており、東南アジアの周辺国の主張と対立する中、急速な勢いで複数の礁を軍用機の配備が可能な人工島に変えている。

 同じ南シナ海の西沙諸島(英語名:パラセル諸島、Paracel Islands)では、すでに中国の複数の企業が中国人限定のクルーズ船を運航している。だが南沙諸島は西沙諸島よりもはるかに南に位置する。

 チャイナ・デーリーが中国南部・海南(Hainan)省当局の発表した資料をもとに報じたところによると、海南省から南沙諸島に向かうクルーズ船の運航が提案されているという。海南省の観光当局高官はチャイナ・デーリーに対し「南沙諸島は中国の観光産業にとって未踏の地だ」と語った。(c)AFP