【6月22日 AFP】米国最大の州立大学の学生5万人近くが特定の住所を持たないホームレスで、さらに多くの学生が食べる物に困っている──。今週発表された調査報告書で明らかになった。

 米カリフォルニア(California)州にキャンパス23校と学生約46万人を擁するカリフォルニア州立大学(California State University)が委託した調査によると、8.7~12%の学生がホームレスで、21~24%が食べ物の確保に困っているという。

 調査は昨年2月、問題の実態を把握する目的で、大学の教職員および管理者、学生を対象にインタビュー形式で行われた。

 調査報告書によると、困難な状況に置かれた学生の多くは、問題の深刻度について大学の教職員に理解されていないと感じており、また利用できる援助制度について知らない学生も少なくなかった。

 ホームレスの学生の一人は、大学側に状況を説明し、寮の使用許可を求めたが、他の学生に対してフェアではないとの理由で断られたと話した。また別の学生は、食べ物に関する援助があれば、周囲からレッテルを貼られなくて済むと回答している。

 一方の教職員らは、限定的な資源を背景に、援助プログラムの通知や奨励について消極的であったことを明らかにしている。学生からの要求が数多く寄せられることを嫌ったのだという。

 報告書はさらに、問題の規模が誤解もしくは矮小(わいしょう)化されていたケースも多く、「一部では『飢えた学生』を当然視することもあった」と指摘している。

 同大学広報担当は、調査は今後2年にわたって行う予定と述べた。(c)AFP