【6月22日 AFP】米連邦航空局(FAA)は21日、小型無人機(ドローン)の商業目的の利用に関する新たな規制を発表した。要件を満たし2年ごとの試験に合格した人に操縦許可証を交付し、パイロット免許や利用許可は不要になる。ただ、アマゾン・ドットコム(Amazon.com)などの小売り業者がドローンを使って商品を配達できるようになるにはもう少し時間がかかりそうだ。

 新規制は長く待ち焦がれていたもので、飛行できるドローンは重量は55ポンド(約25キロ)未満、飛行時間は日中の時間帯のみとされた。また、飛べる範囲は操縦士らが視認できる範囲に限られる。適用は8月下旬から。

 米国ではこれまで、ドローン運用にはパイロットの正式な免許が必要とされ、商業利用に当たっては条項免除の適用を申請する必要があり、当局が多数の申請を個別に判断して認可を行っていた。

 新規制では16歳以上で、米運輸保安局(TSA)の審査を経てFAAの試験に合格して2年間有効の資格を得れば、誰でもドローンを飛ばせるようになる。

 とはいえ、アマゾンをはじめとする小売り大手が開発を進めるドローンによる配達サービスに関しては、事実上認めない形となっている。

 それでも、今回の規制緩和を追い風にドローンの利用は広がっていくとみられる。米ホワイトハウス(White House)は業界の試算として、ドローンが今後10年に米国にもたらす経済効果を820億ドル(約8兆6000億円)超、新たに生み出される雇用を約10万人と指摘している。

 ジョシュ・アーネスト(Josh Earnest)大統領報道官は、バラク・オバマ(Barack Obama)政権は民間企業と緊密に連携しながら引き続き規制の合理化を図っていく方針だと説明した。(c)AFP/Thomas WATKINS