【6月22日 AFP】ブラジル北部のマナウス(Manaus)で20日、リオデジャネイロ五輪の聖火リレーの行事に連れてこられていたジャガーが飼育員らの手を離れ、獣医師に襲いかかろうとしたため、兵士らに射殺される騒ぎがあった。ブラジル軍が21日、発表した。

 このジャガーはジュマ(Juma)と名付けられた17歳の雌で、アマゾン(Amazon)で軍が運営している動物園で赤ちゃんの頃からきょうだいと一緒に飼育されていた。聖火ランナーが園内を走るため行事に参加することになったといい、殺される直前には聖火と共にカメラに収まっていた。

 この地域に配備されている部隊の大佐によれば、ジュマは園内で移動中に飼育員らの手を離れて逃走。その後、麻酔ダーツを4本撃ち込んだものの効果がみられず、獣医師に向かってきたため、兵士らがやむを得ず射殺した。

 大佐は「飼育員を守るために犠牲にさせてしまった」が、ジュマは園内でずっと育てられてきたジャガーだけに「とても悲しい」と話している。軍は今回の問題の調査に着手した。

 ジャガーはネコ科の動物としては米大陸最大で、大型のものだと体重が135キロに達する。アマゾンの象徴として知られる一方、絶滅の危機にひんしている。(c)AFP