【6月22日 AFP】オランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)は21日、2002年に中央アフリカに派遣した自身の部隊による「残虐非道な」レイプや虐殺行為により有罪とされたコンゴ(旧ザイール)のジャンピエール・ベンバ(Jean-Pierre Bemba)元副大統領に、禁錮18年の量刑を言い渡した。

 シルビア・スタイナー(Sylvia Steiner)裁判長は、ベンバ被告が2002年10月末に中央アフリカに派遣し、同国で「残忍極まりない」一連のレイプや虐殺、略奪行為に及んだ自身の私兵らに対する指揮統制を怠ったと指摘した。

 今年3月に戦争犯罪と人道に対する罪の5件の罪状で有罪とされたベンバ被告は、ICCで量刑を言い渡された中で最高位の政府関係者となった。2002年に活動を開始したICCで量刑が出されたのは同被告が3人目。

 ICCの検察側は禁錮25年を求刑していたものの、ファトゥ・ベンスダ(Fatou Bensouda)主任検察官はAFPに対し、「今回の量刑は、配下の兵士が戦地で罪を犯せばその司令官が責任を問われるという非常に強いメッセージを送っている。司令官が兵士らによる犯罪を阻止する能力と統制力を持っていたにもかかわらず行使しなかった場合は特にそうだ」と述べ、ベンバ被告の量刑には「非常に大きな意味がある」と評価した。

 中央アフリカで残虐行為に及んだのは、アンジュ・フェリックス・パタセ(Ange-Felix Patasse)大統領(当時)に対するクーデター計画を阻止するためにベンバ被告が同国に派遣した「コンゴ解放運動(MLC)」の兵士約1500人。5か月にわたって恐怖の作戦を展開した。

 ベンバ被告の弁護団はすでに上訴の意向を正式表明している。また2008年に逮捕されて以来勾留され続けてきたことを理由に、即時釈放を訴えている。

 ICCが戦争の「武器」としてのレイプに焦点を当てたのも、配下の部隊の行為に対する司令官の責任が強調されたのも、今回が初めてだった。(c)AFP/Jan Hennop and Jo Biddle