【6月21日 AFP】全米ゴルフ協会(USGA)は20日、全米オープン選手権(2016 US Open Championship)で優勝したダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson、米国)に1罰打を科した際の不手際で、大会に「混乱」を生じさせたことは残念だと声明を発表した。

 ラウンドが終了するまで裁定を先延ばしにしたことで反発をかったUSGAは、騒動を鎮静化させるために声明を発表し、「このたびの批判を受け、ラウンドが終了するまで裁定を遅らせたわれわれの判断により、混乱を生じさせたことを残念に思います」とコメントした。

「ラウンド終了時に確認するビデオ映像の証拠を基に、裁定を下すのは通常の手順です。その際に選手と問題の場面について話し合い、それからスコアカードが戻されます。正しい裁定を下すことに重点を置いたことは適切でした」

「しかしながら、12番ホールでダスティンに対し、5番グリーンでの動作はペナルティーの対象になる可能性があると通告したことにより、選手の順位が不透明な状況をつくり出してしまいました」

 ペンシルベニア(Pennsylvania)州オークモント(Oakmont)のオークモントCC(Oakmont Country Club)で行われた大会最終日で、ジョンソンは2位に3打差をつけてメジャー初制覇を成し遂げたものの、終盤は順位が不透明な状況が続いてしまった。

 問題が起きたのは最終ラウンドの5番ホール。1メートルのパーパットを残したジョンソンは、打つ前にボールの後ろでルーティンの動作を行っていたが、この際わずかにボールが動いていた。

 USGAのルール委員は当初、シェーン・ローリー(Shane Lowry、アイルランド)と13番ホールまで首位争いを演じていたジョンソンについて、ボールを動かしていなかったと判断し、ペナルティーの対象とはしなかった。

 ところが、ジョンソンが12番ホールのティーショットに差し掛かっていた2時間後に別の職員が現れ、5番ホールのグリーン上での出来事についてビデオ判定を行い、ペナルティーが科される可能性があると説明した。

 すぐに裁定を下さなかったUSGAに対しては、ロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)やジョーダン・スピース(Jordan Spieth、米国)、リッキー・ファウラー(Rickie Fowler、米国)、タイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)らから批判の声が上がっていた。(c)AFP