【6月21日 AFP】米連邦捜査局(FBI)は20日、米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)の同性愛者向けナイトクラブで今月12日に米国史上最悪の銃乱射事件を起こしたオマル・マティーン(Omar Mateen)容疑者(29)が犯行時に警察にかけた電話の通話内容を公表した。

 公表されたのは、ナイトクラブ「パルス(Pulse)」で49人が犠牲になった銃乱射事件の最中にマティーン容疑者がかけた緊急電話と、警察の交渉人との会話の一部を書き起こしたもの。容疑者は「冷静沈着」な様子で、「イスラムの戦士」を自称してさらなる流血の惨事を予告していた。

 3時間に及んだ犯行が始まって30分後の午前2時35分、容疑者自ら緊急電話をかけ、「オーランドにいる。銃を乱射したのは私だ」と伝えたという。

 容疑者はこの通話中に、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」とアブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)最高指導者への忠誠を誓っていたことが明らかになっていたが、これらの詳細は「暴力的な言辞」を広めないため、今回公表された内容からは除外されている。

 警察の交渉人との会話で、「イスラムの戦士」を名乗ったマティーン容疑者は忠誠の誓いを繰り返すとともに、米政府に対しシリアとイラクへの空爆をやめるよう要求した。

 また同容疑者はクラブのそばに止めた車に爆発物を仕掛けたと主張。さらに自身も「フランスで使われた」種類のものに似た自爆ベストを着用しているとした上で、「これからの数日間に、この種の行為がさらに続くのを目にすることになる」と警告していた。

 FBIのロン・ホッパー(Ron Hopper)特別捜査官は記者団に対し、「容疑者は殺害を認める間、冷静沈着で平然とした様子だった」と明かした。(c)AFP/Leila MACOR