【6月21日 AFP】女子テニス、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)の弁護士を務めるジョン・J・ハガティ(John J. Haggerty)氏が、同選手の収入を引き合いに出す発言をした世界反ドーピング機関(WADA)のクレイグ・リーディー(Craig Reedie)会長に、強く反発している。

 20日に英ロンドン(London)で行われたWADAの討論会で、リーディー会長は同組織の年間予算が3000万ドル(約31億1940万円)で、シャラポワの年収よりも少ない可能性があると述べた。そして、予算が限られるなかで仕事が山積みだとする主張する一方で、組織よりも年収が高いとみられるシャラポワの違反をとらえたことには満足していると発言した。

 この発言に怒りをあらわにしたハガティ氏は声明を発表し、「リーディー会長が行った発言はプロフェッショナルにふさわしくない。WADAや裁判所の正義は曇っている。選手の収入に関することも含めてだ」とコメント。「会長はマリアをはじめとするテニス界で成功を収めた選手全員に謝罪すべきだ。さもなければ、ファンはランキングや収入でその選手を判断するようになる」

 3月に禁止薬物の「メルドニウム(Meldonium)」を摂取していたことを認めたシャラポワは、今月はじめに国際テニス連盟(ITF)から2年間の資格停止処分を言い渡されており、現在スポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てている。(c)AFP