【6月21日 AFP】米大統領選で共和党候補指名が確定したドナルド・トランプ(Donald Trump)氏(70)は20日、自身の選挙対策本部長を務めてきたコーリー・ルワンドウスキ(Corey Lewandowski)氏を解雇した。民主党候補として指名を確実にしているヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏との一騎打ちが11月に迫る中、このところ支持率が低下しているトランプ氏は、選挙戦での盛り返しを狙っている。

 最近の世論調査で支持率が低下するとともに、フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)の同性愛者向けナイトクラブで起きた銃乱射事件を受けたイスラム教徒に関する発言で怒りを買ったトランプ氏。共和党大会まで1か月を切り、陣営の刷新が不可欠となっていた。

 クリントン氏との対決にいかに備えていくかをめぐり、トランプ陣営内で意見対立が生じているといううわさは何週間も前から広がっていた。この対立は、ルワンドウスキ氏が去る形で決着したとみられる。

 同陣営の広報担当、ホープ・ヒックス(Hope Hicks)氏は、「コーリー・ルワンドウスキ氏はもう選挙運動には関わらない」「選対本部はコーリーの尽力と献身に感謝し、今後の成功を祈る」という声明を出した。ルワンドウスキ氏の退任条件については言及していない。

 ルワンドウスキ氏は予備選序盤での躍進に貢献したと評価されていたものの、最近では主力から外され、代わりにポール・マナフォート(Paul Manafort)氏をはじめとする経験豊富な政治コンサルタントらがより大きな影響力を示していた。今後の選挙運動を率いていくのもマナフォート氏だ。

 ルワンドウスキ氏は今年3月の選挙集会で、記者といさかいを起こしていた。記者は、ルワンドウスキ氏からあざができるほど乱暴につかまれたと訴えていたが、同氏はこれを否定。結局フロリダ州の検察当局は、不起訴処分の判断を下していた。(c)AFP/Ivan Couronne