【6月19日 AFP】ベルギー警察は18日「切迫したテロ攻撃」の脅威があるとして、要人30人の警護を強化し、全国的な捜索を行って12人を逮捕したと公表した。

 テロ攻撃の警告は、サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)のベルギー対アイルランドの試合に合わせて、数万人のファンが全国各地に集まっていた中で発された。

 ベルギーのシャルル・ミシェル(Charles Michel)首相は、テロ攻撃の脅威について論議を行うため開催された国家安全保障会議に出席後、「今後数時間にわたり、われわれは警備体制をさらに強化し、一新する」と述べた。

 ミシェル首相は「今後数日間に実施が計画されている数々のイベントは予定通りに開催される」と語ったが、「安全に関するアドバイスを尊重する」よう人々に呼びかけた。

 ベルギー検察によると、「差し迫った状況での介入」が必要であるとされ、17日夜から18日にかけて全国各地で数十件に及ぶ家宅捜索が行われた。初期捜査ではまず40人が拘束され、倉庫152か所が捜索されたという。

 検察は声明で、家宅捜索は首都ブリュッセル(Brussels)の16自治体と、フランデレン(Flanders)、ワロン(Wallonia)各地域で行われ「問題なく終了した」と述べ、「現在までのところ、銃器や爆発物は発見されていない」と付け加えた。

 フラマン語テレビ局VTMによると、「テロ攻撃」の警告は、現地18日午後にフランスのボルドー(Bordeaux)で開催されたベルギー対アイルランドの試合に関連していた。試合は3-0でベルギーが勝利し、事件が発生したという報告はない。

 VTMによると、標的はベルギー国内の混雑した場所で行われたファンによる観戦会だった可能性があるという。

 逮捕された容疑者の名前は公表されておらず、今後拘束を続けるかどうかの判断は判事が下す。

 ベルギーでは今年3月22日にブリュッセル国際空港と同市内の地下鉄駅で発生して32人が死亡し、数百人が負傷したイスラム過激派組織「イスラム国(IS)による連続自爆事件の衝撃がいまだ収まっていない。昨年11月13日に発生し、130人が死亡、数百人が負傷したフランス・パリ(Paris)の同時多発襲撃事件では、その容疑者の多くがブリュッセルの出身者だった。

 今回の家宅捜索は、昨年11月13日と今年3月22日の事件に関連した地域数か所でも行われ、フランデレンの捜査当局はブリュッセル国際空港に近い町ザベンテム(Zaventem)を捜索。一方ブリュッセルでは、2つの襲撃事件容疑者と密接な関連がある同市郊外のモレンビーク(Molenbeek)、スカールベーク(Schaarbeek)などの地区で捜査が行われた。

 モレンビークは、パリの事件の実行犯10人の中で唯一生存しているサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者が今年3月18日に逮捕されるまで、数か月間隠れていたとされるイスラム過激派の温床として悪名高い地区。

 一方、欧州選手権2016の開催地であるフランスでは、13日に前科のあるイスラム過激派が警官とその妻を殺害する事件が発生したことを受けて、最大級の警備体制が敷かれている。(c)AFP/Philippe SIUBERSKI