【6月17日 AFP】(訂正)中国南部・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)の玉林(Yulin)で、今年もまもなく「犬肉祭」が開かれる。この祭りには世界の団体や著名人らがこぞって抗議し、国外で数百万人分の反対署名も集まっているが、地元住民たちはこれが逆の効果を生んでいるという。さらに多くの人が犬肉食に興味を示すようになっているからだ。

 玉林のある精肉店の店主は「犬肉の売り上げはこれまでにないほど伸びている。昨年はそれまでの5割増しを超えていた」とAFPに明かした。

 活動家らの話では、犬はおびえればおびえるほど肉の味が良くなるという言い伝えがあるせいで、玉林では犬が殴打されたり生きたまま煮たりされているとして、この貧困に苦しむ中国南部の街に対し、国際社会は激怒している。夏至に合わせて行われるこの祭りのために殺される動物は、1万匹以上。これを「野蛮だ」と非難した英人気テレビタレントのサイモン・コーウェル(Simon Cowell)さんをはじめ、著名人らの関心も集めている。

 今年は21日に開催されるが、緊張はすでに高まっている。先月には、中国で芽生え始めたばかりの動物愛護運動の活動家らが、広西チワン族自治区に向かっていた小型トラックの通行を阻止。荷台には首輪付きのものも含め、犬猫400匹が押し込められていたという。

 しかし地元住民らは、活動家らの努力が裏目に出ているという。ある犬肉販売業者は「抗議のせいで、玉林で犬肉祭があることを知る人が増え、皆が試しに食べに来る」と話す。