【6月16日 AFP】ドゥンガ(Dunga)監督が解任されたサッカーブラジル代表の新指揮官に、カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のコリンチャンス(Corinthians)を率いるチッチ(Adenor Leonardo Bacchi aka Tite)氏が指名されたことがわかった。15日、コリンチャンスが発表した。

 一方でブラジルサッカー連盟(CBF)は、8月のリオデジャネイロ五輪に臨むU-23ブラジル代表については、現在U-20の監督を務めるロジェリオ・ミカーレ(Rogerio Micale)氏が昇格すると発表している。

 いまだ五輪での金メダル獲得経験がないブラジルは、母国開催の五輪が近づくなかで、苦境に陥っている。また2018年のロシアW杯(2018 World Cup)出場へ向けた南米予選でも、予断を許さない状況が続いている。

 ドゥンガ監督は、母国開催のW杯(2014 World Cup)準決勝でドイツに1-7の屈辱を味わった2014年夏、代表の指揮官に就任。しかしここまでなかなか結果を出せず、コパ・アメリカ・センテナリオ(Copa America Centenario USA 2016)でもまさかのグループリーグ敗退に終わったことを受け、更迭となった。コーチングスタッフも全員が退陣する。

 そして大方の予想通り、後任にはチッチ氏が就任することになった。コリンチャンスのロベルト・デ・アンドラーデ(Roberto de Andrade)会長が、「チッチはもはやコリンチャンスで働いていない。彼はCBFの申し出を受けた」と認めている。

 現在のところ、CBFはチッチ氏の代表監督就任について正式に発表していないものの、協会関係者が14日に本人と会談したことが確認されている。

 現在55歳のチッチ氏は、グレミオ(Gremio)、アトレチコ・ミネイロ(Clube Atletico Mineiro)、パルメイラス(Palmeiras)ら国内の強豪クラブの指揮官を歴任したほか、アル・アイン(Al Ain)やアル・ワハダ(Al-Wahda)というアラブ首長国連邦(UAE)のクラブを率いた経験を持つ。

 コリンチャンスでは、2011年と2015年にリーグ優勝、2013年にコパ・スダメリカーナ(2013 Copa Sudamericana)のタイトルを獲得したほか、2012年にはチームをリベルタドーレス杯(Copa Libertadores de America 2012)とクラブW杯(2012 FIFA Club World Cup)の2冠に導くなど、3度の在任期間で数々のトロフィーを獲得している。(c)AFP