■「10万年という期間」

 この計画には、回答が出せない問いがついてまわる。この小さな島が、10万年後にはどうなっているのか?そして、その時にそこに誰が住んでいるのか?時間をイメージするために例を挙げると、10万年前、フィンランドは部分的に氷河に覆われており、ホモ・サピエンス(Homo Sapiens)はアフリカ大陸から中東への移動を始めていた。

 地質学者は、再度氷河期が訪れる可能性は排除できないとしている。フィンランドは特に地震国というわけではない。しかしオンカロは、今後数千年で起こる可能性のある、気温低下を原因とした地質構造の変動にも、耐えられる設計でなければならない。

■「警告表示のない処分場?」

 処分場の外部からの保護という観点での最大の課題は、やじ馬的な見物客の侵入や廃棄物の盗難を完全に防ぐため、トンネルを埋め戻してふたをすることだ。

 このため、ポシバは処分場を外部からは分からないようにすることを検討している。ポシバのアールトネン氏によると、「処分場に警告の表示をつけるべきかについては、まだ議論中だ」という。

 しかし、こういった警告はしばしば逆効果になることは、歴史が示すところだ。古代エジプトでは、ファラオの墓を守るためにピラミッドに施された工夫は、無視されていた。(c)AFP/Anne KAURANEN