【6月15日 AFP】14日に発表された英レストラン業界誌「レストラン(Restaurant)」による今年の「世界のレストラン・ベスト50(World's 50 Best Restaurants)」の選考結果について、世界ランキング常連のフランス人著名シェフらが選ばれなかったことに対し論争が起きている。

 今年の「ベスト50」では、名産のパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズを用いた料理が評判で、昨年は2位だったイタリア・モデナ(Modena)のレストラン「オステリア・フランチェスカーナ(Osteria Francescana)」が、昨年の優勝者、スペインの「エル・セレール・デ・カン・ロカ(El Celler de Can Roca)」を抜いて首位に立った。13日夜、米ニューヨーク(New York)で行われた華やかな授賞式で、優勝シェフのマッシモ・ボットゥーラ(Massimo Bottura)氏は感無量の面持ちだった。

 だが、ジョエル・ロブション(Joel Robuchon)氏など、14年前から始まった同賞の常連だったフランス人シェフ数人が選考からもれたことに対し、反発が起きている。

 昨年9月まで10年以上にわたって「ベスト50」フランス支部会長を務めたアンドレア・ペトリーニ(Andrea Petrini)氏も、ランクインしたフランス人シェフが2人のみだったことに疑問を呈している。

 ペトリーニ氏はAFPの取材に対し「非常に大きな驚きだ。理解し難い」と述べ「フランスよりも、メキシコやペルーの方が2倍も良いレストランがあると本当に思っているのか。中南米のレストランが(ランキングを)占めている状態を見れば、疑問が生じるはずだ」と述べ、ロビー活動やレストランと選考委員との間の親しい関係に関する疑惑に言及した。さらに同氏は、英国を拠点とする「ベスト50」のランキングには「いつもフランスとの問題がある」とも語った。