【6月15日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領がロシアの祝日に際し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領に書簡を送っていたことが明らかになった。昨年11月にトルコ軍がロシア軍機を撃墜して以来、両国の接触はこれが初めて。

 トルコ側の当局筋は14日、今月12日の「ロシアの日」に合わせて「(エルドアン)大統領がウラジーミル・プーチン露大統領に書簡を送ったという報道は確かだ」と認めた。

 これに先立ちトルコ民放NTVテレビは、この書簡の中でエルドアン氏がプーチン氏に対し「両国関係がそれに見合うレベルに達することを願っている」と書いたと報じていた。書簡の全容については公表されていない。

 トルコ政府はここ数週間、ロシア軍機撃墜事件以来、過去最悪の水準まで悪化していたロシアとの関係修復を積極的に目指そうとする姿勢を見せていた。今回の書簡送付は、その中でも特に目立った動きだ。

 一方、ロシア通信(RIA)は、ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)露大統領報道官がエルドアン氏からプーチン氏への書簡送付の事実を認めたと伝えた。「外交ルートを通じて」受け取ったとしている。

 露軍機撃墜事件が起こるまで、両国はシリア情勢への対応やロシアによるクリミア(Crimea)編入といった問題で隔たりはあったものの、多方面で強い協力関係にあった。

 トルコ側当局者は、今回の書簡が「トルコからの友好のしるし」として受け止められ、ロシアが「信頼できる建設的な態度」で応じてくれるよう願っていると述べた。

 両国関係の危機によって、トルコ南部の地中海(Mediterranean Sea)沿岸にあるリゾート地を訪れるロシア人観光客が激減。トルコの観光業は大打撃を受けている。(c)AFP/Fulya OZERKAN