【6月15日 AFP】スペインの裁判所は14日、2006年のドーピング摘発作戦「オペラシオン・プエルト(Operacion Puerto)」で押収された血液バッグについて、プライバシー保護のため破棄するよう命じた当初の判決を覆した。自転車ロードレース界を中心に衝撃を与えたこの事件だが、証拠品の血液バッグは保存されることになり、新たな違反が発覚する可能性もある。

 スポーツ医のエウフェミアーノ・フエンテス(Eufemiano Fuentes)氏らが、ロードレーサーをはじめとするアスリートの血液ドーピングを助けたとして、スペインの警察に摘発されたスキャンダル。実名は公表されていないものの、サッカー選手、テニス選手、ボクサーにも顧客がいたことが分かっている。

 フエンテス氏は公衆衛生を害したとして、2013年の裁判で有罪判決を受けた。しかし裁判官は、2006年にフエンテス氏のアパートから押収された顧客の血液バッグ211個について、プライバシー保護の観点から破棄を命じていた。

 証拠品になるはずの血液バッグを破棄するという裁定に対しては、不服申し立てが行われたほか、世界中から批判が相次いだ。スペインが、2020年の五輪招致に失敗したのも、この対応のまずさが大きな要因とみられている。

 これまで、フエンテス氏の力を借りてドーピングを行っていたことが公表されたのは、1997年のツール・ド・フランス(Tour de France)覇者ヤン・ウルリッヒ(Jan Ullrich)氏ら、自転車選手のみ。しかし、問題を告発した元自転車選手のヘスス・マンサノ(Jesus Manzano)氏は、有望なサッカー選手が、フエンテス氏のもとを訪れていたのを目撃したと証言している。

 スペインの裁判所は、今回の裁定について「ドーピングに立ち向かうことが目的」と説明し、野放しにすれば「他のスポーツ選手がドーピングの誘惑に負けるリスク」があったと述べている。これから、世界反ドーピング機関(WADA)や国際自転車競技連合(UCI)、他の検査機関が検体の分析に乗り出すとみられており、新たなドーピング違反が発覚する可能性もある。(c)AFP/Gabriel RUBIO - GIRON