【6月15日 AFP】米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)の同性愛者向けナイトクラブ「パルス(Pulse)」で起きた銃乱射事件で銃撃を受けて床に倒れたエンジェル・コロン(Angel Colon)さんは、自分の周囲で動かなくなった客らに向かって発砲し続ける男の姿を目にしながら、次は自分が死ぬ番だと考えていた。

 脚に3発の銃弾を受けたコロンさんは、必死に逃げ惑う客らに踏みつけられ、逃げることはもはやできない状態だった。クラブ中で発砲していたオマル・マティーン(Omar Mateen)容疑者(29)が、コロンさんの方へ戻って来ようとしていた。

「皆が自分の上を走って逃げていた時、私にできたのはただそこに横たわっていることだけだった」

「そして聞こえたのは、次から次へと続く発砲音と、人々の叫び声。皆助けを求めて叫んでいた」

 49人が死亡、数十人が重傷を負った米国史上最悪の銃乱射事件から2日となる14日、コロンさんは、命の恩人と感謝する救急医療スタッフらと共に市内の医療センターで記者会見し、友人たちとの楽しい夜が計り知れない恐怖の時間へと一変した様子を詳述した。

「ただひたすら盛り上がっていた。皆飲んでいた。午前2時を回ったところだった。お別れを言い合って、僕は皆をハグしていた。とても楽しい夜だった」「あったのは笑顔と笑い声だけだった」