【6月14日 AFP】天文学者チームは13日、恒星2個の連星系を公転する太陽系外惑星を発見したと発表した。系外惑星としては最大級で、主星からの距離は、人が居住可能な環境を形成し得る範囲にあるという。

 ケプラー(Kepler)宇宙望遠鏡を用いてこの惑星を発見した米航空宇宙局(NASA)の天文学者チームは、米カリフォルニア(California)州サンディエゴ(San Diego)で開かれた米国天文学会(AAS)の会議で、今回の成果を発表した。

「ケプラー1647b(Kepler-1647b)」と命名されたこのガス状惑星は、木星ほどの大きさで、2個の主星の周りの広大な軌道を1107日、約3年かけて公転している。

 この種の惑星の発見は、2005年以降11件目となる。

 2個の恒星を公転する惑星は「周連星惑星」として知られ、映画『スターウォーズ(Star Wars)』のルーク・スカイウォーカー(Luke Skywalker)の故郷として描かれた同種の架空の惑星にちなみ「タトゥイーン(Tatooine)」と呼ばれることもある。

 米サンディエゴ州立大学(San Diego State University)が発表した声明によると、ケプラー1647bは、現在知られている他のどの周連星惑星よりも主星からの距離が最も離れており、「いわゆるハビタブルゾーン(生命生存可能領域)内に惑星が置かれる」軌道にあるという。

 その理由から、ケプラー1647bは、人が居住するのに暑すぎず寒すぎず、水が液体の状態で存在できる温度になっていると理論上は考えられる。だが、ケプラー1647bは木星のようなガス状惑星であるため、生命が存在する可能性は低い。

 それでも、この惑星を公転する大型の衛星があれば、そこには生命も存在し得る。

 天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル(Astrophysical Journal)」に掲載予定の研究論文によると、44億年前に誕生した、地球とほぼ同年齢のケプラー1647bは、その2個の主星も太陽と似ており、片方は太陽よりやや大きく、もう片方は太陽よりやや小さいという。

 はくちょう座の近くに位置するケプラー1647bは、地球から約3700光年の距離にある。(c)AFP