【6月12日 AFP】リビアの統一政府勢力は11日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がリビアの最大拠点とする中部シルト(Sirte)の港をISから奪還したと発表した。

 シルトはリビアの最高指導者だった故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の出身地でもある。市全域を奪還すれば、シリアとイラクで「カリフ制国家」建国を宣言して地域でも支配地区を失いつつあるISにとって、一段の打撃となるのは確実だ。

 政府勢力のリダ・イッサ(Rida Issa)報道官は、港に加え市東部の住宅地区もISから奪い返したと明らかにした。ISの戦闘員らは現在、5平方キロメートルの人口密集地区で包囲された状態にあるが、一帯に仕掛け爆弾を取り付けているという。

 同報道官によると、シルトの住民の大半は避難しているものの、依然として約3万人が取り残されている。

 リビア西部の都市ミスラタ(Misrata)の病院関係者によると、先月12日に開始されたシルト奪還作戦では政府勢力側にもこれまでに死者137人、負傷者500人が出ている。(c)AFP/Mohamad Ali Harissi