【6月11日 AFP】北朝鮮の禁煙運動は、最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の説得には失敗しているようだ──北朝鮮では全土で「大掛かり」な禁煙運動が展開されているが、先週、現地紙に金氏がたばこを手にしている写真が掲載された。

 北朝鮮ではこの1か月間、高い喫煙率を下げるため禁煙運動が展開されており、ここ80日以上、金氏がたばこを手にしている姿は見られなかった。このことから、金氏がたばこをやめたのではないかとの臆測が流れていた。

 しかし、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」に先週掲載された写真には、首都平壌(Pyongyang)の子ども向けの施設を訪れた金氏が、笑顔で火の付いたたばこを持っている姿が写っていた。

 金氏がたばこを吸う写真は過去に山ほどある。弾道ミサイル施設や建設現場の視察時から、病院訪問、さまざまなスポーツ行事や芸術公演への出席時、地下鉄の中や妊娠中の妻の前で吸っていたこともある。

 金氏の父の故・金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記も、祖父の故・金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席もヘビースモーカーだった。両氏はともに心筋梗塞で死亡している。

 特に金正日総書記は2000年代初めに禁煙したとされ、その際「たばこは心臓に狙いを定めた銃みたいなものだ」と語ったことがあるが、08年にまたたばこを吸い始め、それから3年後に死去した。(c)AFP