【6月11日 AFP】ブラジルの射撃選手が9日、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)市内で強盗に頭部を撃たれて重体となっている。リオデジャネイロ五輪を2か月後に控える中、犯罪の波が同市内で全面的に広がっていることが強調されることになった。

 五輪出場を目指していたものの、代表選考から漏れていたブラジル海軍所属のアンナ・パウラ・コッタ(Anna Paula Cotta)さん(27)は、リオ北部で車を運転中に銃撃を受けた。

 国内の新聞報道によると、コッタさんは病気の父親の看病に向かうため夜明け頃に家を出た際に、強盗に遭遇したという。車を奪おうとした強盗は、コッタさんが逃げだそうとしたときに数発発砲。コッタさんは重体となり病院に搬送された。

 警察当局は、「現場検証が行われた。警官は(カメラの)画像を求めており、必要な証拠を集めるために慎重に捜査を進めている」と声明を発表している。

 ピストル射撃のスペシャリストであるコッタさんは、11日に行われるブラジルの国内選手権に出場を予定していたという。

 先月には、同市内でスペインのセーリング五輪代表チームのメンバーが銃を突きつけられ、金品を奪われる強盗被害に遭っている。

 リオでは、今年1月から4月にかけての殺人事件発生率が、昨年の同時期より16パーセント増加。当局は8万5000人の警官や兵隊を動員し、五輪の安全を守るとしている。(c)AFP