【6月10日 AFP】シリア北部アレッポ(Aleppo)の反体制派掌握地域で8日朝、国連が援助する小児病院が空爆を受け、医療スタッフたちの懸命の努力で新生児9人の命が救われた。国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)と病院の医師らが恐怖の体験を明かした。

 ユニセフの声明によると、「たる爆弾」を使った爆撃は3時間にわたって続き、この小児病院と他2つの病院が標的とされた。AFPの取材に応じた医師は、小児病院ではすぐ近くに落ちた爆弾でドアや窓、保育器などが破壊されたが幸い人的被害は出ず、急いで新生児を避難させたと説明した。

「恐ろしいひとときだった。看護師たちは互いに押し合いへし合いしつつも、泣き叫ぶ赤ちゃんたちを素早く病院の地下に移動させた」

「いつか、こういうことが起きると思っていた」というこの医師によれば、アレッポ東部には今、保育器は全部で18個しかないという。

 看護師らは、空爆の粉じんが舞う中で保育器から出された新生児たちがちゃんと呼吸できるか懸念していたが、取材したAFP記者によると避難させられた新生児たちは皆、無事だという。(c)AFP