【6月9日 AFP】パキスタンで、自ら選んだ相手と結婚したことが理由で母親に殺害された16歳の少女の葬儀が9日未明、結婚相手の親族らによってひっそりと執り行われた。活動家や政治家たちは、再び起きた残酷な「名誉殺人」に対し非難の声を上げている。

 警察当局によると、8日にパキスタンの文化の中心地ラホール(Lahore)で火を付けられて死亡したジーナト・ビビ(Zeenat Bibi)さんの親族が遺体を引き取りに来なかったため、ジーナトさんの夫の親族がラホールそばの墓地にジーナトさんを埋葬したという。

 また、地元警察当局の責任者、シェイク・ハマド・アクタル(Sheikh Hammad Akhtar)氏によると、ジーナトさんの夫のハサン・カーン(Hasan Khan)さん(20)が、ジーナトさんを殺害した容疑で勾留されているジーナトさんの母親、パービーン・ビビ(Perveen Bibi)容疑者を告訴した。

 カーンさんの家族がAFPの取材に対し語ったところによると、パービーン容疑者はジーナトさんを殺害後、路上に飛び出して胸をたたきながら「人々よ!私は、不品行と家族の名を汚したことから、娘を殺した」と叫んだという。

 ジーナトさんの家族の自宅を訪問したAFP記者によると、自宅は閉ざされ鍵がかけられていた。近隣の住民によると、ジーナトさんの家族は姿を消したという。住民は「悲しみを分かち合おうとみんなが集まっているのに、なぜいなくなったのだろう」と語った。(c)AFP