【6月9日 AFP】ロシアは8日、新型中距離旅客機「MC21」の試作機を初公開した。開発の狙いは、苦境にある自国の民間航空業界をよみがえらせ、欧州航空機大手エアバス(Airbus)や米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)に挑戦することだ。

 シベリア(Siberia)地方のイルクーツク(Irkutsk)にある露航空機メーカー、イルクート(Irkut)の格納庫で行われた華やかなお披露目式典は国営テレビで中継され、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相も出席。「わが国の民間航空業界を進化させるだけでなく、他国と張り合える航空機を作れることが確認できた」と称賛した。

 MC21は最大全長42.3メートル、幅35.9メートルで、最大座席数は211席。部品の30%が外国製だ。旧ソビエト連邦時代に就航し老朽化した旅客機「ツポレフ204(Tu204)」に替わる機体として、エアバスA320型機やボーイング737型機と競合することを期待されている。

 イルクートによれば、既に露航空大手アエロフロート(Aeroflot)など国内外の複数の航空会社と計175機の調達で合意済みだという。年内~来年初めに最初のテスト飛行を行い、2018年末に就航を予定している。(c)AFP