【6月8日 AFP】査証(ビザ)なしで米国への入国を許可されている国々の3分の1以上が、渡航者の犯罪歴やテロ組織との関与の疑いを米当局に報告していないことが明らかになった。米議会の政府監査院(GAO)が6日、報告した。

 現在、ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program)に参加している欧州を中心とした38か国からは90日以内の観光・商用目的であればビザなしで米国に入国できる。 

 38か国は、過激派およびその疑いがある者に関しては個人情報や犯罪歴を米国土安全保障省(DHS)に通知することになっている。

 しかし、GAOの報告書によると、38か国中3分の1以上がそうした情報を協定通りにはDHSと共有化していないという。

 米下院国土安全保障委員会(House Committee on Homeland Security)のマイケル・マコウル(Michael McCaul)委員長は、「欧州から多数の人間がシリアとイラクに渡航しているが、その大半が米国にビザなしで入国できる国々の出身者だ」と7日に発表した声明で指摘。

「こうした過激派は米国本土まで飛行機で直行できる状態にある。だからこそ国外でのテロ対策が重要な意味を持つ」と述べている。

 GAOの報告では、2013年度にビザ免除プログラムで米国を訪れた38か国の旅行者は2000万人近く、1国当たり約700人から400万人余りだった。(c)AFP