【6月7日 AFP】米オハイオ(Ohio)州にあるシンシナティ動物園(Cincinnati Zoo)で先月、3歳の男児がゴリラの囲いに落ち、この男児を保護するためゴリラが射殺された問題で、検察当局は6日、男児の両親の刑事責任を問わないと明らかにした。これにより、全米が注目したこの問題の捜査に幕が引かれることになった。

 飼育員らが体重約180キロの珍しいゴリラを射殺せざるを得なくなったことを受けて、男児の家族に対しては世間からの非難が集中していた。

 同州ハミルトン(Hamilton)郡の検察官は記者会見で、男児を含め4人の子を連れていた母親は「注意を払っていたと、目撃者全員が証言した。ただこの3歳児が駆け出してしまった」と説明した。

 ハミルトン郡検察官事務所が出した関連声明によると、母親が別の子どもの世話するため数秒間目を離した隙に、男児がよじ登って囲いの中へ落ちてしまったという。

 この声明では、「自分に正直な親なら、最も注意深い親にでさえ起こり得ることだということを理解するだろう」としている。さらに、「もし母親が、例えばトイレでクラックを吸って子どもを動物園内で走り回らせていたなら、それはまた別の話だったはずだ」と、母親を擁護した。(c)AFP/Maggy DONALDSON