【6月4日 AFP】中国の民主化運動を当局が武力弾圧した天安門(Tiananmen)事件から27年を迎えた4日、同国の人権団体は複数の人権活動家が警察に拘束されたり、監視下に置かれたりしていると発表した。

 中国の人権擁護団体「維権網(Weiquanwang)」によると、私的に天安門事件の追悼式典を行ったとして2日に拘束された詩人の梁太平(Liang Taiping)氏など、人権活動家6人が「論争の挑発や暴動の扇動」の疑いで拘束されたという。また北京(Beijing)では、別の活動家1人がここ数日、行方不明になっていると言う。

 天安門事件からまもなく30年が経つ今も中国共産党政権は、この事件に関する議論を禁止している。また教科書やメディアでの言及も禁じられている他、インターネット上の検閲も行われている。

■若い世代は追悼集会をボイコット

 一方、香港(Hong Kong)では若い世代の活動家らが天安門事件の追悼集会をボイコットする意向を示した。

 香港では毎年、中国で唯一の大規模な追悼集会が、ビクトリアパーク(Victoria Park)で行われてきた。だが、14年の民主派デモが失敗に終わったことを受け拡大した新しい香港民主派の運動では、若い世代が本土の民主化よりも香港独自の自治や独立を求めるべきだと主張しており、本土の民主化を訴えることが主要メッセージの一部である天安門事件の追悼集会に参加しない学生活動家らが増えている。(c)AFP