【6月4日 AFP】メキシコ当局は2014年に埋葬が行われた同国中部モレロス(Morelos)州の集団墓地を掘り起こして調査した結果、登録数よりも1体多い117人の遺体が確認されたと3日発表した。また遺体には、2歳の男児、7歳の少女、さらに胎児も含まれていた。

 当局が埋葬を担った同州テテルシンゴ(Tetelcingo)の墓地では、法医学専門家らが12日間をかけて墓地を掘り返した。その結果、埋葬されていた遺体数が当初考えられていたよりも1体多いことが判明した。

 ハビエル・ペレス(Javier Perez)州司法長官は、実際に埋葬されていた遺体の数が、登録された数の116体ではなく117体だった理由を調査していると述べた。当局はさらに未登録の遺体がないか確認するため発掘を続けている。

■「消えた遺体」母親の訴訟がきっかけに

 メキシコでは麻薬絡みの抗争などにより、ここ10年で2万8000人以上が行方不明となっており、今回の件は世論の怒りを引き起こしている。5月23日に始まった発掘作業には、全国から行方不明者の家族が立ち会うために集まった。

 メキシコの法律は、遺体の身元が不明だったり、引き取り人が名乗らなかったりした場合には当局が遺体を埋葬することを認めている。だが、テテルシンゴの集団墓地では、一部の遺体の番号が不適切だったり、番号が記載された書類がないまま埋葬されていた。また犯罪の犠牲者が何体含まれているか、当局は明らかにしていない。

 テテルシンゴの集団墓地の件が明るみになったのは、2013年に誘拐され、発見されたオリベル・ ベンセスラオ・ナバレテ・エルナンデス(Oliver Wenceslao Navarrete Hernandez)さんの遺体の返還を求めて、母親が訴訟を起こしたことがきっかけだった。

 エルナンデスさんの遺体が発見された後、検察当局は検視を行うとして遺体を遺族に返還しなかった。その後、遺体は公式記録から消え、15年11月になってようやく偽造書類によってテテルシンゴの集団墓地に埋葬されたことが判明した。世論の圧力を受け、当局は墓地の掘り起こしと調査の開始に同意。今回はすべての遺体の身元確認を目指し、各遺体からDNAサンプルを採取するとペレス長官は述べている。(c)AFP/David Monroy