【6月2日 AFP】米大統領選で共和党の候補指名を確実にしているドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に北朝鮮が好意的な視線を送った。トランプ大統領誕生による潜在的な戦略上の利点を期待しているものとみられる。

 北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」は1日付の論説のなかで、「米大統領選のドナルド・トランプ候補の対韓政策への姿勢を注視する韓国政府は、不安を隠しようがない。それはトランプ氏が外交政策を語る時、必ず在韓米軍の問題に触れ韓国の『ただ乗り防衛』を指摘するからだ」などと、トランプ大統領誕生を懸念する韓国の様子を喜々として伝えた。

 北朝鮮の国家宣伝ウェブサイト「朝鮮の今日(DPRK Today)」も5月31日、トランプ氏について、「暴言ばかりの変わり者で、無知な候補ではない。賢い政治家で先見の明がある大統領候補だ」と評価した。一方で、民主党の指名争いで優位に立つヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏については「頑固」と呼び、北朝鮮もイランに追随して核開発問題で米国と合意すると思い込んでいると非難。米大統領選ではクリントン氏でなくトランプ氏を選ぶようにと米国の有権者に呼び掛けた。

 一方のトランプ氏も、北朝鮮の最高指導者、金正恩(Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長との会談に前向きな姿勢を示している。(c)AFP