【6月1日 AFP】米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)のシンクタンク、米韓研究所(US-Korea Institute)は1日、北朝鮮の寧辺(ニョンビョン、Yongbyon)にある核施設について、最新の衛星画像の分析結果を基に、新たな核兵器の製造に向けてプルトニウムを抽出する作業の準備を進めているか、既に開始したことを示す証拠が確認されたと明らかにした。

 新たな衛星画像には、放射化学実験施設付近でタンクやキャスク(容器)を載せた平台型貨車2台が写っている。米韓研究所によると、平台型貨車は2000年代初めに北朝鮮がプルトニウムを抽出した際にも確認されており、キャスクは抽出作業用の化学薬品を運ぶのに使用できるという。

 さらに、放射化学実験施設を暖めるプラントから煙が出ている様子も確認できたほか、プラントに隣接の石炭貯蔵所は石炭で満杯になっているように見える。

 米韓研究所は施設内にある出力5000キロワットの主要原子炉について、蒸気の発生など活動している様子がみられないことから、稼働していないか、稼働していても極めて低い水準とみている。使用済み核燃料を再処理のため取り出すには、稼働を停止する必要がある。

 この原子炉をフル稼働させた場合、年6キロのプルトニウムが生み出されるとみられており、これは核兵器1~2個を製造できる量に相当する。ただ米韓研究所は、この核施設で抽出できる兵器級プルトニウムの正確な量は不明としている。(c)AFP