【6月1日 AFP】米国務省は5月31日、フランスで今夏開催されるサッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)と欧州各国で行われる関連イベントが「テロリストの標的」になる恐れがあるとして、自国民に対し警戒を呼び掛けた。

 同選手権の本大会は10日、フランスの首都パリ(Paris)で開幕し、1か月にわたって開催される。同国には欧州各国のトップチームに加え、数十万人のファンが結集する。

 米国務省は、欧州選手権の会場となるスタジアムや、各国の大型会場での公式観戦イベント、また試合をテレビ観戦できる一般娯楽施設が、テロ攻撃の標的になる恐れがあると指摘している。

 この警告は、米国人旅行者向けに以前から出されている、欧州の公共交通機関や集会を狙った過激派の攻撃への注意を呼び掛ける渡航警戒情報の更新内容として出された。

 米国務省はさらに、「夏季には大勢の観光客が欧州を訪れることから、公共の場所、特に大型イベントでの攻撃を計画しているテロリストらの標的になる可能性が高まる」としている。

 一方フランス政府は、国内各地の都市へ計200万人のファン誘致につながると見込まれている大会を中止する可能性については否定。警戒強化策として、昨年11月にパリのコンサートホールやカフェ、警察、サッカーファンらを標的に発生した同時襲撃事件後に発令された非常事態宣言の適用期間を延長した。

 今回米国務省が更新したこの警戒情報ではこれ以外にも、来月26~31日にポーランドのクラクフ(Krakow)で開かれるローマ・カトリック教会の祭典「世界青年の日(World Youth Day)」の関連行事でも大勢の人出が予想され、厳重な警戒態勢が敷かれることに留意すべきだとしている。(c)AFP