【5月31日 AFP】スペイン・バスケットボール界のスター、パウ・ガソル(Pau Gasol)は30日、8月にブラジルで開かれるリオデジャネイロ五輪について、ジカウイルスをめぐる懸念を理由に欠場を検討中であることを明らかにした。

 米プロバスケットボール協会(NBA)、シカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)の所属選手であるガソルは、スペインのマドリード(Madrid)で開催された自身のスポンサーのイベントで、記者団に「欠場に関しては、皆と同様に、検討中だ。これは考慮に値する、十分に重要な問題だと考えている」と語った。

 ガソルは「選手らが詳細を把握した上で決断を下すことができるように、国内の五輪委員会や国際的な保健機関が、ブラジルの状況に関する実際の情報を提供することを望んでいる」と続ける。

「何が起きているかは今に分かるが、ブラジルに渡航予定の選手と家族とファンの健康を最優先する必要がある」

 母親が医師で、自身も大学で医学を学んだ経験があるガソルは、ジカウイルスについてできる限り多くの情報を収集しようと努めていると話した。ガソルはスペイン・バルセロナ大学(University of Barcelona)で医学を学び始めたが、プロのバスケットボール選手になるために同大学を中退した。

 ガソルは、発行部数がトップのスペイン紙エル・パイス(El Pais)に30日に掲載された意見記事の中で、保健機関がジカウイルスに関する適切な情報を提供しているかという疑問を投げかけている。

 35歳のガソルは、男子ゴルフのマーク・リーシュマン(Marc Leishman、オーストラリア)が先週、ジカウイルスに対する不安を理由にリオ五輪の欠場を表明したことを指摘、他の選手が同じことをしても何の不思議もないと述べた。

 男子ゴルフでメジャー4勝を誇るスター、ロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)も先週、ジカウイルスが原因でリオ五輪への出場を断念する可能性があると述べ、懸念を表明した。

 ガソルは「五輪の夢が、保健衛生の悪夢とならないようにするための決断を下し、対策を講じる必要がある」と記事に記している。ガソルは、2008年と2012年の両五輪でスペインの銀メダル獲得に貢献した。(c)AFP