【5月30日 AFP】オーストラリアの先住民アボリジニ初の女性国会議員に対し、交流サイト(SNS)を通じて人種差別的なメッセージを送信した男が、通信手段を不正に使用した疑いで逮捕された。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州で逮捕された64歳の男は、元五輪選手のノバ・ペリス(Nova Peris)上院議員(45)に対し「森に帰ってイモムシやヤムイモでも食べていろ」と送信した。またアボリジニの儀式の際に顔を塗る風習にたとえ「白い色に塗って議会にいるのを止めろ」「走る以外に価値はない」などとも書き送った。

 ノバ議員は前週末、インターネット上でこのメッセージをシェアしながら、メッセージをブロックすることは簡単にできるが「わが国の醜い一面を示しておくためにここに残しておく」「私は肌の色を誇りに思う」とコメントした。この力強い反撃は称賛され、「#Racism - it stops with me」(レイシズム─私でおしまい)のハッシュタグで広まっている。

 ノバ議員は、1996年アトランタ五輪の女子ホッケーで金メダルを獲得し、その後陸上選手としても活躍した。(c)AFP