【5月28日 AFP】 米軍が主導する有志連合のスティーブ・ウォーレン(Steve Warren)報道官は27日、イラクの都市ファルージャ(Fallujah)で、有志連合軍による空爆と砲撃によりイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の司令官を含む戦闘員70人以上が死亡したと述べた。

 イラクの首都バグダッド(Baghdad)に派遣されているウォーレン報道官によると、有志連合軍は過去4日間に20回の攻撃を行い、ファルージャ市内のISの陣地や砲座を破壊したという。同報道官は、「われわれはファルージャのISIL(ISの別称)司令官、マヘル・ビラウィ(Maher Al-Bilawi)を含む70人以上を殺害した」「これで敵が戦闘をやめるわけではないが、打撃にはなった。(司令官の死亡で)混乱が生じ、ナンバー2が司令官として昇進し、他の指導者たちも動き回らなければならないはずだ」と述べた。

 イラク軍は今週初め、バグダッドの西50キロに位置し、ISの支配下にあるファルージャの奪還作戦を開始した。ファルージャには500~1000人のIS戦闘員がいて、市外への脱出を試みる人を殺害しようとしているため、市内には約5万人の一般市民が取り残されているとみられている。

 ウォーレン報道官によると、米軍は航空機から一般市民向けにISが駐留する地域を避けるように記したチラシを投下したという。「チラシは、脱出できない市民向けに、位置を明確にするよう屋根に白い布を敷くよう促している。イラク軍は脱出ルートを確保する努力をしており、地元アンバル(Anbar)州政府は避難した一般市民を収容するキャンプを設置したという。

 2014年初頭にISが制圧したファルージャは、その後ISの拠点となっていた。ISは同年にバグダッドの北方と西方の広い地域を制圧したが、ここ数か月間はイラク軍による攻勢を受けて防戦に転じており、制圧していた地域の多くを失った。

 ウォーレン報道官は、ファルージャ奪還作戦はまだ開始されたばかりで、戦闘がどの程度の期間続くか、IS戦闘員がどの程度抵抗するかは分からないと述べた。(c)AFP