■「あきらめない。核兵器をゼロに」

 坪井直(Sunao Tsuboi)さん(91)は、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協、Japan Confederation of A- and H-Bomb Sufferers Organizations)の代表委員だ。重度のやけどを負い、がんや他の病気を発症しているが、生涯をかけてきた核兵器のない世界を目指す運動で今も活発に活動している。

「全身丸焼け、全身やけどだらけ。ひどい目に遭いました。逃げるのに必死になって。裸なんですから。逃げていたらついに歩くこともできなくなって。そこで『坪井はここに死す』と(地面に小石で書いた)」

「気がついたり、意識があったり、なかったり。9月25日になってやっと我に返った。人類の幸せのためには、それぐらいの我慢はできます。やります。もう明日、逝くかも分からん。私は楽天的だ。あきらめない。核兵器をゼロにするんだと、いわゆるネバーギブアップだ」

「おわびをせよとか、われわれは関係ない。この広島へ来て、資料館で見てもらう、こういうすごいことが起こったんだ。現物を見てください。それからね、被爆者の声も1分でも2分でも聞いてください」

(c)AFP/Shingo ITO