【5月26日 AFP】米大統領選で共和党の候補指名を確実にしたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は25日、米国最大のヒスパニック人口を持つカリフォルニア(California)州で行った選挙演説で反移民の立場を明確に示す一方、「メキシコの人たち」は11月の本選で自分に投票するとの自信を見せた。

 前日に米南西部のニューメキシコ(New Mexico)州で行われた選挙集会では、反トランプ派のデモ隊が投石し、警官隊が発煙弾で制圧に乗り出す騒動となったことから、警察は騎馬警官も動員し、ロサンゼルス(Los Angeles)郊外のアナハイム(Anaheim)の選挙集会で厳重な警備態勢を敷いた。それでもトランプ氏を罵倒する言葉を叫ぶ反トランプ派とトランプ氏支持者との間で小競り合いが発生。少なくとも8人が身柄を拘束された。

 そうした中で登壇したトランプ氏は、米大統領選の民主党指名候補争いで首位を走るヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が大統領になれば、「混乱以外の何物でもないオバマ政治がもう4年続くことになる。われわれの制度もわれわれの国もそんなことは許容できない」などと激しく攻撃した。

 また、大統領になった暁には頑強な国家安全保障が自身の「最大の強み」となると主張。ドイツなどが大量の難民を身元調査もせずに欧州に流入させていると批判し、欧州全域で受け入れられた難民たちが結局は米国に送り出されているとして「われわれはどこまで愚かなんだ?我が国に跳ね返ってくるのに」と訴えた。

 さらにトランプ氏は、不法移民が米国人から雇用を奪っていると糾弾しながらも「メキシコの人たちは最高だ。熱狂的に私に投票してくれるはずだ。この国に合法的に暮らす大部分のメキシコ人たちはね」などと述べ、合法移民の多数が自身に投票するはずだと自信を示した。しかし、世論調査では合法移民の圧倒的多数がクリントン氏のほうが好ましいと答えている。(c)AFP/Ivan Couronne、Veronique Dupont