【5月25日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が事実上の首都とするシリア北部ラッカ(Raqa)市では、民間人がIS戦闘員の「人間の盾」にされていると、シリア人活動家が24日明らかにした。同市があるラッカ県の北部に対してはクルド人民兵組織とアラブ系反政府勢力の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」が大規模な攻勢をかけたばかりで、場合によっては難しい対応を迫られそうだ。

 ラッカ一帯でのISによる残虐行為を記録する地下組織「ラッカは静かに虐殺されている(Raqa is Being Slaughtered Silently)」の設立者の一人である活動家、アブデル・アジズ・ハムザ(Abdel Aziz al-Hamza)氏は「彼ら(IS)は民間人を隠れみのとして利用している。そのため、戦闘員と民間人が同じ建物の中にいることになる。民間の建物1棟にはISIS(ISの別称)戦闘員の住居が2~3戸はあるだろう」と述べた。

 同氏によるとISは、一部の学校を滞在拠点に使うことも検討している。校舎は民間の建物に囲まれているうえ、地下室にいれば空爆から身を守れるからだという。

 市内には行き場のない民間人が今も推計5万人程度いるとみられ、懸念が高まっている。(c)AFP