【5月25日 AFP】才能ある若手ながら、数々の問題行動で男子テニス界を騒がせているバーナード・トミック(Bernard Tomic)は24日、自分は金持ちという以前の発言を謝罪しつつも、完全に撤回することはなかった。

 23歳のトミックは、この日行われた全仏オープンテニス(French Open 2016)1回戦で、米国のブライアン・ベイカー(Brian Baker)にストレート勝ち。今季のクレーコート初白星を挙げた。

 春の欧州クレーコートシーズン、トミックは4大会連続で初戦敗退に終わる低調なプレーと、いまだに尾を引く問題行動が、多方面から批判された。

 マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2016)では、相手のマッチポイントで、ラケットを上下逆に構えるという無礼な行動に出て物議を醸す。

 さらに試合後、「マッチポイントなんてどうでも良かった。23歳にして1000万ドル以上の価値がある選手が、あんなポイントをいちいち気にすると思う?」と発言し、夏のリオデジャネイロ五輪を見据えるオーストラリア選手団のキティ・チラー(Kitty Chiller)団長を「あきれるほどひどい」と激怒させた。

 イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2016)ではメディカルタイムアウトを取った末、「一晩中体調が悪かった」として、わずか8分で試合を棄権。さらに、五輪出場を辞退することも発表した。

 トミックは全仏の初戦を終え、「1000万米ドル(約11億円)持っていると言えたら最高だけど、1000万豪ドル(約8億円)かもしれない」と話を切り出した。

「そうだね、確かにあんなこと言うべきではなかった。でも、もう済んだ話だ。僕が悪かった。降参する。瞬間的なものだったんだ。友達と話すときに言うような言葉が、あのときはうっかり出てしまった」

「まあ、どうでもいいや。1億ドルだったら、また話は別かもしれないけど」