【5月25日 AFP】テニスの四大大会(グランドスラム)では、かつて10代の王者が次々に誕生していたが、近年では経験値が高いほうが有利な傾向にあり、今年の全仏オープン(French Open 2016)男子シングルス本戦では、30歳以上の選手が史上最多の51人に上っている。

 この数字は、出場選手128人の4割をわずかに下回ったものの、30歳以上が41人で、過去最多を記録した今年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)を軽く超えた。グランドスラム17勝のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が棄権しなければ、この数はさらに多くなっていた。

 マッツ・ビランデル(Mats Wilander)氏、ステファン・エドベリ(Stefan Edberg)氏、ボリス・ベッカー(Boris Becker)氏、ピート・サンプラス(Pete Sampras)氏といった往年の名選手が、20歳の節目を前にグランドスラム初優勝を飾った一方で、過去25年間をみると、10代でメジャーを制したのはラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)のみとなっている。

 来月3日に30歳になるナダルは、初めて本戦に出場した2005年の全仏オープン準決勝でフェデラーを破ると、そのままタイトルを獲得。これがクレーコートの王者として君臨する始まりとなった。

 一方、今大会の本戦に出場する10代の選手は、アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)、ボルナ・コリッチ(Borna Coric、クロアチア)、カンタン・アリス(Quentin Halys、フランス)、テイラー・フリッツ(Taylor Fritz、米国)の4人のみ。

 世界ランクではズベレフの41位が最高となっているが、コリッチは昨年大会で3回戦まで進出するなど、この中で唯一、グランドスラムで2勝以上を記録している。フリッツは、昨年の全仏ジュニアシングルスで準優勝した。