【5月24日 AFP】シリア北西部で23日に起き、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した連続爆弾攻撃で、死者が少なくとも148人に達したことが分かった。シリア沿岸部にある政権派の拠点を狙った攻撃による死者としては過去最多。

 地中海沿岸のラタキア(Latakia)県ジャブレ(Jableh)と、その南方にあるタルトス(Tartus)県の県都タルトスの2都市にあるバス停や病院など、市民が集まる場所、計7か所でほぼ同時に爆発が起きた。両都市はこれまで、5年に及ぶシリア内戦の影響を比較的免れていた。

 在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ジャブレとタルトスの死者はそれぞれ、子どもを含め100人と48人に上っている。同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によれば、内戦勃発以来、両都市で「間違いなく最も多くの死者を出した攻撃」だという。

 犯行声明を出したISは、同組織に対するシリア政権とロシアの空爆への報復だと主張し、「さらに破壊的で激しい攻撃」を実行すると述べている。

 シリア沿岸部は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」の活動地域として知られており、同組織と敵対関係にあるISは活動していないとされていた。

 しかし、潜伏している戦闘員を使った攻撃を繰り返すことで知られるISは、同沿岸部に「サヘル(Sahel)州」と呼ぶイスラム行政区画を設立したことを示唆している。(c)AFP/Rim Haddad and Maher Al Mounes