【5月23日 AFP】アルプス山脈の下を走る、全長57キロの世界一長い鉄道トンネル「ゴッタルド・ベース・トンネル(Gotthard Base Tunnel)」が6月1日、スイスで開通する。

 建設が持ち上がったは1947年のことだが、着工されたのは17年前。総工費は推定120億ドル(約1兆3100億円)で、これまで約2820万トンの岩石が取り除かれてきた。

 欧州委員会(European Commission)のビオレタ・ブルツ(Violeta Bulc)運輸担当委員は、スイス紙ターゲス・アンツァイガー(Tages-Anzeiger)に対し、新トンネルはオランダ・ロッテルダム(Rotterdam)やベルギー・アントワープ(Antwerp)とアドリア海(Adriatic Sea)の各港との間を往来する際に使われる主要路線となると語った。

 ブルツ氏はまた、新トンネルは「欧州の成長をけん引」し、南北の移動はよりスムーズになり、大気汚染も削減されるだろうとも語っている。新トンネルの開通によりスイス・チューリヒ(Zurich)と伊ミラノ(Milan)間の移動時間は、現在よりも約1時間短縮され、2時間40分となる。

 開通式にはアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相やフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領、マッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)伊首相らが出席する予定。今後数か月間は試験走行が行われ、12月から本格的な運用が開始される。

 ゴッタルド・ベース・トンネルは日本の青函トンネル(Seikan Tunnel、全長53.9キロ)を抜き、世界一長いトンネルとなる。3位は英仏を結ぶ英仏海峡トンネル(Channel Tunnel、50.5キロ)となる。(c)AFP