【5月20日 AFP】米オクラホマ(Oklahoma)州議会は19日、人工妊娠中絶を犯罪とみなし最高3年の禁錮刑を違反者に科す法案を可決した。

 人工中絶の非合法化法案は、オクラホマ州上院で審議や討議なしに採決が行われ、賛成33、反対12の賛成多数で可決された。

 法案成立にはメアリー・ファリン(Mary Fallin)州知事が署名が必要だが、同知事は中絶反対派で、米大統領選の共和党候補指名を確実にしたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の副大統領候補として名前が挙がっている。

 法案を提出した共和党のネイサン・ダーム(Nathan Dahm)上院議員は、米連邦最高裁が人工妊娠中絶の禁止を違憲と判断した1973年の「ロー対ウェイド(Roe v. Wade)判決」の見直しにつなげたいと語っている。

 妊娠中絶は米国では依然として激しい論争を呼び起こす話題だ。近年、複数の州が人工妊娠中絶に対する規制を導入し、多数の中絶クリニックが閉鎖に追い込まれている。

 国際人権団体「性と生殖に関する権利センター(Center for Reproductive Rights)」は、オクラホマ州の中絶非合法化法案について、露骨に違憲な前例のない法律で、女性やその家族を侮辱する内容だと批判。ファリン州知事に拒否権を行使するよう書簡で訴えた。

 類似の中絶禁止法案はユタ(Utah)州とルイジアナ(Louisiana)州で可決した例があるが、いずれも違憲と判断され無効となっている。(c)AFP