【5月19日 AFP】プロボクサーのサウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)は18日、ゲンナディ・ゴロフキン(Gennady Golovkin、カザフスタン)との対戦に向けた交渉期限を取り巻くプレッシャーを緩めるべく、WBCミドル級王座を返上した。

 WBCは、両陣営が17日までに対戦契約を結べなければ、保証金を納めるよう求めていたが、「カネロ(Canelo)」ことアルバレスが王座を返上したことで、両ボクサーのプロモーターは時間の制限無く、交渉を進められることになった。

 アルバレスはゴールデン・ボーイ・プロモーション(Golden Boy Promotions)を通じた声明で、「熟慮の末、今日私はゴールデン・ボーイ・プロモーションに対し、ゲンナディ・『GGG』・ゴロフキンとの対戦契約をできる限り早く締結するよう、交渉の続行を指示した」と発表した。

「また、WBCにはタイトルの返上を申し出た。『GGG』と戦い、『GGG』を倒すつもりだが、設けられた期限にリングへ上がることを強制されたくはない。この音を立てている時計を脇にどけたことで、両陣営が試合の交渉を行い、『GGG』と私ができる限り早くリングに上がれることを期待している」

 25歳のアルバレスは昨年11月にミゲル・コット(Miguel Cotto、米国)を判定で下し、空位となっていたWBCミドル級王座を獲得すると、5月7日に行われたアミール・カーン(Amir Khan、英国)戦ではKO勝ちを収めてタイトルを防衛し、通算戦績を47勝(33KO)1分け1敗としている。

 アルバレスが王座を空位にしたことで、WBCの暫定王者でアルバレスの指名対戦者だったゴロフキンが正規のWBCミドル級王者になると見込まれている。ゴロフキンはすでに、IBFとWBAの同級王座を保持している。34歳のゴロフキンは先月23日、無敗の挑戦者ドミニク・ウェイド(Dominic Wade、米国)を下し、戦績を35勝(32KO)無敗に伸ばした。「GGG」の通称を持つゴロフキンは、これで22戦連続KO勝ちを収めている。

 ゴールデン・ボーイ・プロモーションのオスカー・デラホーヤ(Oscar De La Hoya)会長はアルバレスの決断を支持し、ゴロフキンとの対戦契約が確保されることに今回の判断が一役買うことを望んでいる。

「彼(アルバレス)は、『GGG』とリングに上がり、自身もまたパウンド・フォー・パウンドのファイターであることを世界に示したいと躍起になっている。それでも、強制された期限の中でわれわれも交渉することはない」

「これでWBCのベルトは交渉の場から外れた。『GGG』と彼のプロモーターであるK2プロモーション(K2 promotion)が誠意を持って交渉の場に就き、この契約が結ばれることを願っている」

(c)AFP