【5月19日 AFP】サッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2015-16)は18日、スイス・バーゼル(Basel)で決勝が行われ、セビージャFC(Sevilla FC)が3-1でリバプール(Liverpool FC)を下し、大会史上初の3連覇を達成した。

 判定に疑問が残る展開の中、セビージャは後半にコケ(Jorge Andujar Moreno 'Coke')が挙げた2得点で、大会通算5度目の優勝を決めた。

 今季のヨーロッパリーグで快進撃を見せたリバプールは、前身のUEFA杯(UEFA Cup)を制した2000-01シーズン以来となる大会制覇を目指し、自信満々でザンクト・ヤコブ・パルク(St Jakob Park)に乗り込んだ。

 しかし、ユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督率いるチームは、前半35分にダニエル・スターリッジ(Daniel Sturridge)が挙げた見事な先制点を足掛かりにすることはできず、後半開始十数秒でケヴィン・ガメイロ(Kevin Gameiro)に同点弾を許すと、その後はセビージャの猛攻に遭った。

 落ち込んだリバプールが後ろに下がり始めると、コケは6分の間に2ゴールを決め、ウナイ・エメリ(Unai Emery)監督率いるセビージャが後半25分までに3-1とリードを奪った。

 3点目の場面でコケはオフサイドポジションにいたように見え、クロップ監督は怒った様子でタッチライン際を走って副審に詰め寄ったが、スウェーデン人のヨナス・エリクソン(Jonas Eriksson)主審は、審判団との協議の末、センターサークルを指した。

 カップ戦決勝では5連敗となったクロップ監督は、ガメイロの同点弾で後半の出足をくじかれたとしたものの、この敗戦が今後長きにわたって糧になることを期待している。

 クロップ監督は「あちらの最初の得点が私たちの試合に大きな影響を与えた。自分たちのプレースタイルに対する信念を失い、フォーメーションを見失い、コンパクトさを欠いた。しかし、これは以前からの問題だった」と語った。

 優勝チームには来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)の出場権が与えられるが、敗者には何一つ与えられない。指揮官は「残念だ。失望している」と付け加えた。

「来季は国際大会に出られないことは明白だ。つまり、より練習重ね、強度の高い練習をする時間があるということだ。選手たちは自分たちの持つ力を発揮した。彼らの多くはまだまだ若く、大きな大会では初めての決勝だった。この経験を選手とともに糧にしていきたい」

「いつか、セビージャに敗れたことがリバプールFCの栄光の転換点だったと誰もが口をそろえるだろう」

 セビージャは前半、ダニエウ・カリーソ(Daniel Carrico)がペナルティーエリア内で2度ハンドを犯したが、これはともに流され、さらにリバプールはデヤン・ロブレン(Dejan Lovren)のヘディングシュートがネットを揺らしたものの、オフサイドでノーゴールと判定された。

 欧州サッカー連盟(UEFA)は、今大会決勝で史上初めてゴールライン・テクノロジー(GLT)を導入したが、このシステムをペナルティーエリア内にも配置すべきだったかもしれない。(c)AFP/Justin DAVIS