「男社会」総合格闘技の固定観念を壊す女性たち
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【5月18日 AFP】キックやジャブを放つたびに光る額の汗。――ブルック・カールッチ(Brooke Carlucci)さんをはじめとする総合格闘技(MMA)スクールの生徒は、男性社会と考えられてきたスポーツの概念を取り払おうとしている。
真剣なまなざしでガードを上げたカールッチさんは、目の前のサンドバッグに拳をぶつける。大学でジャーナリズムを専攻する20歳のカールッチさんは、護身だけでなく、スタイルを維持したり、うっぷんを晴らしたりするため、趣味のような形でMMAのトレーニングを始めた。
米ロサンゼルス(Los Angeles)南部ラ・ミラダ(La Mirada)のジムで取材に応じたカールッチさんは、「男だけのものだと思っている人もいるけど、それは違う。女性だって同じようにできます」とすると、「強くなって、楽しみながら成長できる」とMMAの楽しみを語った。
「格闘技が暴力的で、血なまぐさく、気持ち悪いという固定観念は確実に存在する。テレビではそう見えるかもしれないけど、女の子にもできる。それも、暴力的になる必要はないのです」
カールッチさんは、ワークアウトを終えてヘトヘトになりながらも、どこか充実した表情で拳に巻いたバンデージをさすった。
MMAの世界では、柔道やレスリング、ボクシング、キックボクシング、空手、そして他のスタイルを織り交ぜながら、何でもありの格闘ショーを、長年にわたって男性がけん引してきた。リング上では、どれだけ手数を出せるかが勝負になってくる。
米国では、1993年に「UFC(Ultimate Fighting Championship)」の第1回大会が開催されてから、大金が飛び交う総合格闘技人気が過熱した。