【5月17日 AFP】韓国国防省は17日、徴集兵の数が今後不足する恐れがあるとして、現行の兵役免除をほぼ全面的に廃止する方向で動いていることを明らかにした。

 韓国では朝鮮戦争の休戦協定締結後から60年以上にわたり、18~35歳の健康な男性全員に2年間の兵役義務が課せられているが、毎年、学業優秀者や警察または消防署での勤務を希望した者など約2万8000人が兵役を免除されている。しかし、国防省によれば人口予測から、2023年までに約2万~3万人の兵士が不足する見込みだという。 

 徴兵免除の廃止については現在も関係省庁との間で協議が進められているが、実行に移された場合には、2020年以降の3年間で段階的に廃止される計画だという。

 学問研究や職業キャリアの開始時期が2年にわたって中断される徴兵制は、韓国の多くの若者に望まれていないとされる。兵役免除される例としては、工学系の修士号取得者で3年間の研究機関を希望する場合などが挙げられる。しかし兵役を拒否すると自動的に刑事罰が科され、政府機関や大企業への就職の道を閉ざされることになるため、大多数は不本意ながら兵役に就いている。

 だが、中には留学期間の延長から、健康診断で落とされるよう餓死寸前に自分を追い込むことまで、さまざまな手口で何とか兵役を逃れようとする若者たちもいる。(c)AFP